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FM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」 に出演しました!

FM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」 に出演しました!

文=横川千夏 写真=服藤悠一郎

こんにちは、横川です。
連日危険な暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


2021年8月4日、今宿プロジェクトの末本・横川がFM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」に出演しました。出演コーナーは、「福岡シティエクスプレスVIVOTが行く」というコーナー。毎日、ラジオカーで福岡県内各地から中継が行われています。中継場所として、先月、本サイトでもご紹介した「吉積ぶどう園」さんにお世話になりました。「吉積ぶどう園」さん、偶然にも当日は休業日だったため、普段は作業や販売をされている直売所にお邪魔しました。

13:30、ディレクターの松浦さん、リポーターの木原さんとの打ち合わせ兼練習がスタート。練習では、初ラジオへの緊張と、3分半というタイム・リミットを意識しすぎるあまり、どうしても急ぎすぎてしまいますが、松浦さんに「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声をかけていただきひと安心。練習中につまづいた、言いづらいフレーズを見逃さず修正していただき、細かい調整をしていきました。

3~4回練習を重ねると、14:19の本番の時間が近づいてきました。しーんと静まり返り、あっという間に本番は終了。

放送後は、吉積さんが松浦さん、木原さんを案内され、お二人とも宝石のようなぶどうに大興奮されていました。

私にとっては初めてのラジオ出演でしたが、とっても不思議な感覚でした。目の前にお客さんがいるわけではないので、自分の声が福岡中の電波を通っているのか、あまり実感が湧きませんでしたが、普段お世話になっているアルバイト先の皆さんが聞いてくださっていたようで、今宿のことが福岡に伝わったのかとやっと実感したところでした。

事前の打ち合わせから当日の練習まで、丁寧に対応してくださったFM Fukuokaの皆さんには大変感謝しています。また、今回の出演のご縁を下さった姪浜タクシーの岩本社長にも心から感謝申し上げます。

新型コロナウイルスが状況が落ち着いたら、ぜひ今宿に遊びにいらしてくださいね。それまでの間、今宿の情報をお届けしていきたいと思いますので、ウェブサイトも楽しんでいただければ嬉しいです。

楽しい学びを子どもたちに〜わくわく今塾〜

楽しい学びを子どもたちに
〜わくわく今塾〜

写真・文 末本圭子

2021年7月17日、今宿公民館でにぎやかな子どもたちの声が響いていました。小学生15人が参加しているわくわく今塾の今日のテーマは、「三角綱引き」。
3人がロープを引っ張り合い、バランスをとって水が入ったペットボトルをバケツに入れる活動でした。そのあと、3つのばねばかりを使って三角綱引きのしくみをみんなで話し合いました。各グループには、アシスタントボランティアの高校生4人が寄り添いました。

 

 わくわく今塾とは

わくわく今塾は、「楽しい科学実験や身の回りを観察して、 自分で「なぜ?」を探して考えてみよう‼ 何か面白い発見があるかもしれない」を目的に開催される17回の連続講座です。
講師は、今宿在住の福岡大学名誉教授 山口住夫さんです。
山口さんは、大学の定年を機に、「今までと違った、もっと楽しい教育を作って、広げてみたい。そうすれば、子どもたちの目も輝くし、地域の子どもたちが生き生きしていることが、大人たちにとってもいちばん喜ばしいことではないか。それを故郷の今宿から広められないか。」との思いから昨年8月から活動を開始しました。

山口住夫さん

 

子どもの経験を増やしたい、それは「あそぶ」ことから

「大学で50年教えてきて、学生の想像力が乏しいことがずっと気になっていた。それはなぜか? 子どもの頃に、自由な「遊び」をあまりやっていないからではないか。小学校以来ずっと、習ったことだけをそのまま覚える「勉強」を求められて、自分の連想や考えを話す機会が無かったのではないだろうか。子どもの経験を増やすこと、それはいろんなことを「あそぶ」ことに外なりません。」と山口さんは話します。

体験と知識をつなげる

「習ったこと、難しいことを、自分の体験と結びつけて語れるようになってほしい。そうすれば、知識がホンモノになる。たとえば、料理はすべて化学実験。掃除は、物理のかたまり。家事の手順はプログラミング。」と山口さんは高校生たちに語ります。
公民館の古川館長は、「今つながらなくても、後でつながる時がくるので、むずかしいことも子どもたちに話してください」と山口さんにお願いしているそうです。

地域の問題に気づけるボランティア活動

玄洋高校2年の八谷直登(はちやなおと)さんに、アシスタントボランティアに参加するきっかけをききました。

「玄洋高校ではSDGs(※1)クラブに入っています。これまでボランティアをやりたくてもきっかけがなかった。他の部活動でやりたいと思えるものがなかったけど、SDGsクラブならやりたいと思えた。他には「今津元寇防塁・松原掃除ボランティア」に参加したことがあります。
SDGsクラブの活動を通して、地域の人とコミュニケーションとったり、知らなかったことを知ることができたり、地域の問題に気づくことができたりします。いろんな経験ができて将来を考えるきっかけになると思います。」

アシスタントボランティアの高校生と小学生たち

地域と接点がある学び

講座に参加する生徒たちを見守っていた玄洋高校の松畠教頭先生と安川進路指導部長にもお話をききました。
「生徒たちは地元愛が強く、就職を希望する大半は地元企業を選択します。大学進学をする生徒の中には、地方創生系の学部に進む子も多い。だから、地域と接点がある学びが大切だと考えています。」
「ボランティア活動を通して、地域での自分の関わり方を見つけてほしい。自分の身の回りの困りごとに対して、どう参画していくか、自分がどう役立つか、考えてほしい。それが、自己有用感を高めることや進路実現につながると思います。」

ボランティアクラブから、SDGsクラブへと名称が変わったのは、生徒たちがボランティアよりもさらに主体的に社会の課題に関わってほしいという思いからだそうです。
地域の中に、子どもの学びに貢献したい人と、地域の課題に関わりたい学生がいることで、どんな展開になっていくのか、楽しみです。

わくわく今塾についてはこちら
https://www.facebook.com/%E3%82%8F%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8F%E4%BB%8A%E5%A1%BE-106114187848616


※1 「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。
貧困や飢餓といった問題から、働きがいや経済成長、気候変動に至るまで、21世紀の世界が抱える課題を包括的に挙げられています。

「今宿プロジェクト」がラジオ出演します!

私たちの取組み「今宿プロジェクト」が、ラジオで紹介されることになりました!
ラジオカーが今宿に来て、生中継されますので、
みなさまご存じの「あの」場所が取り上げられるかも?
大学生や地域の方が出演します!

◆エフエム福岡 8月4日(水)14:19~

 ◆KBC 8月5日(木)10:20~ 

◆RKB 8月19日(木)12:34~

ぜひ聞いてくださいね(^^)。

記事作成:西尾幸真 西区企画振興

「今宿プロジェクト」楽しく学べるワークショップ講座 参加者募集

今宿プロジェクトとは:九州大学の学生、西区役所、地域住民、高校生などから構成され2018年に発足した地域活性化プロジェクトです。この活動の一環として、ライター入門講座(全5回)を開催します。

講座では、福岡市西区今宿地区の「よかとこ」を発見・発信していくことをテーマに、ライティングや、写真・映像スキルについて学びます。新しいことにチャレンジしてみたい方、地域でつながりを持ちたい方、どなたでも参加できますので、お申し込みをお待ちしております。

【ライター入門講座(全5回)開催】

日時:8月23日(月)~9月10日(金)の全5回
会場:JA福岡市今宿支店2階大会議室(福岡市西区今宿1丁目1-29)
料金:無料定員:20名※先着順
参加条件:基本的なPCスキル
持ち物:第2回~5回:ノートPC、タブレット、スマートフォンなどの入力機器    第4回:タブレット、スマートフォン、デジタルカメラなどの撮影機器
お問合せ:西区役所地域振興課(092-895-7006 月~金 9:00-17:00)

※本講座は西区役所の助成を受けています
※希望者が定員を超えた場合、5回の講座すべてに参加できる方を優先します
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、開催方法を変更する場合があります

主催:福岡市西区役所地域振興課、九州大学大学院芸術工学研究院

【スケジュール】
第1回目:8月23日(月)13:30-15:30
1)開講式
2)今宿プロジェクトの紹介
3)講演会「子どもが誇りに思える地域ブランディング」(公開講座)講師:(株) Local & Design 代表取締役 高山美佳氏
4)交流ワークショップ

※こちらの講演会は公開講座となっております。講演会のみのお申込みも可能です。詳しくは添付のチラシをご覧ください。

第2回目:8月27日(金)13:30-16:00
講座と実践「すぐに書かない文章講座」
ライター講座なのにすぐに書かない?記事を書くには準備が命!
講師:一般社団法人ママトコラボ代表理事 尾崎恭子氏

第3回目:9月3日(金)13:30-16:00
講座と実践「取材をやってみよう」
今宿に済む地域の方々をゲストに迎えます。実際にインタビューしてみよう!
講師:一般社団法人ママトコラボ理事 佐藤倫子氏

第4回目:9月6日(月)13:30-15:30 
講座と実践「写真の撮り方」
スマホやデジカメで『映える』撮影や編集のコツを学んでみよう!
講師:九州大学3年 時川碧海氏

第5回目:9月10日(金)13:30-16:00
ワークショップ「今宿のよかひと、よかとこを発信しよう!」
今までの講座で学んだことを実践!記事を書いてみましょう。
講師:一般社団法人ママトコラボ代表理事 尾崎恭子氏

講師紹介】
●高山美佳氏
(株)Local &Designer 代表取締役・地域デザイナー
久留米市在住。巨峰農家に嫁いだのをきっかけに、田主丸町を拠点に、教育や食、景観などの分野において都市と農村をつなぐプロジェクトに携わる。巨峰開植の地、田主丸の歴ウィの掘り起こし、筑後こどもキャンパス、うきは森林セラピーなど、筑後地域のデザインを数多く手掛ける。また地元の耳納山麓の自然環境を守り、文化を育てる「山苞(やまづと)の会」の活動にも取り組んでいる。

●佐藤倫子氏
一般社団法人ママトコラボ理事
非常勤講師として、大学で「ボランティア実践入門」を担当。また、子育て支援および子育て期の女性の能力発揮の場を提供すべく、糸島市を拠点に幅広く活動中。

●尾崎恭子氏
一般社団法人ママトコラボ代表理事
企業・行政からの様々な媒体で取材、執筆、デザイン制作などをてがける。子育て期の女性の多様な暮らしと働き方の提案と実践の一環としてママライター育成の従事。

【お申込み】
ライティング講座(全5回)↓
https://forms.gle/57mxx8SSKZ5XTQRM9

講演会のみ ↓
https://forms.gle/ZduU6sjqrRRPViLA6

お問合せ:西区役所地域振興課(092-895-7006 月~金 9:00-17:00)

ぶどう作りは試行錯誤の連続。「吉積ぶどう園」次期後継者の挑戦とは

ぶどう作りは試行錯誤の連続。「吉積ぶどう園」次期後継者の挑戦とは

写真=横川千夏・末本圭子・服藤悠一郎 文=横川千夏

今宿駅から南側へ向かい、202号線バイパスを越えると、今宿上ノ原地区に「吉積ぶどう園」があります。「吉積ぶどう園」では、10種類以上のぶどうを栽培し、毎年7月下旬から8月にかけて直売所で販売しています。

収穫・販売を間近に控えた7月初旬、次期後継者となる吉積文城(よしづみふみき)さんにお話を伺いました。おじいさまの代からぶどう園を営まれていたこともあり、小学生の頃からぶどう農家になることは考えていたそう。高校卒業後、農業大学校へと進学。岡山で半年ほどの修行を経て実家である吉積ぶどう園で、ぶどう農家としての生活を始めました。

ぶどう作りは試行錯誤の連続

上ノ原地区には、かつて40軒ほどのぶどう園がありましたが、今は3軒にまで減ってしまいました。ぶどうを市場に出すと価格が安定せず、後継者不足も起こってしまっているためです。そこで、吉積ぶどう園では、直売方式を導入し、6年ほど前から直売所を建てて販売しています。

ぶどう農家となり20年ほどになる吉積さんですが、ぶどう作りは毎年、試行錯誤の連続だといいます。たとえば、「皮の薄いぶどうが割れてしまうのはなぜなのか」という問題に対して、風を当てるのがいいのか、水をあげすぎないようにするのがいいのか、実験を繰り返していくといいます。

それでも、ぶどう作りを探求し続ける原動力となっているのは、お客さんの存在。「毎年来てくれるお客さんのために、1年間頑張っている」といいます。

ぶどうにかける思いと挑戦

そんな吉積さんには、ある目標があります。一つは、上ノ原地区にある耕作放棄地をワイン専用品種のぶどうを栽培する、ということです。今宿の田んぼの7割が飼料米用となっており、後継者不足もあり耕作放棄地も増えているといいます。地域のマイナス面を逆手に取り、ワイン作りという新たな挑戦を試みています。もう一つは、会社をつくり、人を育てるということ。そのために、JAの青年部や消防団とのかかわりなど、外との交流を大切にしているといいます。

今年の直売所での販売は、7月22日から開始予定(7月22~25日は先行発送受付期間。通常販売は7月29日~)。晴れの日が続き、ぶどうの糖度も上がっているそうです。この夏、今宿のぶどうを味わってみてはいかがでしょうか。

吉積ぶどう園のウェブサイトはこちら
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自分が、相手が、食べて美味しいものを。筑前堀の、食との向き合い方。

自分が、相手が、食べて美味しいものを。
筑前堀の、食との向き合い方。

文 / 写真=時川碧海

ほっと息をつきたくなる、そんな筑前堀。
今宿の山の麓に、昔ながらの日本家屋、素敵なお食事処があります。

和食からフレンチまで、幅広く手がける女将、吉田紀子さんにお話をお伺いしました。

筑前堀の前で微笑む吉田さん

はじまり

 食べることが、とにかく好きだったという紀子さん。中学・高校時代もお菓子作りに励んでいたと言います。大学は文学部に進学し、食品を取り扱う会社に就職しましたが、どうしても、”完成品の活用でなくて、ゼロから自分で作りたい” という想いで退社。本格的な料理人の道を、歩み始めました。

念願の料理人への道

 常連さんだったフランス料理店の夫婦に、フランス旅への同行を提案されたのをきっかけに、フランス料理店で働くこととなります。フランス語を話すことも書くこともできない中、メニューを見て覚えるなど道中の様子から、スカウトされたそうです。3年の修行の末、お肉を焼けるようにまで上達し、取材記事ではお店の顔となりました。

好きなことだから頑張れる

 「女性料理人選手権」に出場し優勝したことで、フレンチの本場での修行ができる切符を手に入れることに成功。半年間の修行が始まりました。男性社会であったフレンチの調理場。18歳くらいの男の子たちと共に修行した頃の写真を見ると、「本当に男の子ばっかりの中頑張ってたんだね」と驚くくらい、とにかく毎日が戦場だったようです。

どこまでも続く、自分らしさの追求

 帰国後、餃子屋さんで再会した大学の先輩とのご縁で結婚。現在の筑前堀の女将となりました。そこでの自分らしい料理の提供とは、という問いからたどり着いたのが、ケータリングサービス(出張料理)です。相手を想い、好みや体調を聞きながら、日本食はもちろんのこと、フレンチやヘルシー料理など様々なリクエストに応え料理すると言います。「その先にある、相手の喜ぶ顔が見たいから」この想いから試行錯誤しつつ、行き着いた今日。ずっと取りたかったというワインソムリエの資格も取得し、人に合わせた料理の提供を行っています。

これからの挑戦

 外郎(ういろう)伝来の地である福岡で、「博多ういろう」を作り販売する挑戦をしています。もちもちとした食感は、時代に合わせて誰もが美味しいと楽しめる工夫です。

博多ういろう3種

 「私が美味しいと思う料理」というだけでなく、「お客さんと、美味しいと思える料理」の提供を、という想いで料理を提供しているというところが印象的な吉田さん。学んだ料理の型に囚われず、柔軟にお客さんを第一とした料理は、今回お話しをお伺いしてさらに魅力的に映りました。こうしたい、こうでありたいという想いを軸に、柔軟に理想を追い続けられる姿勢と行動力は、聞きながら背筋が自然と伸びました。

関連HP

姪浜〜今宿を走る乗合バス「なぎさ号」のバス停サインのリデザイン

姪浜〜今宿を走る乗合バス「なぎさ号」のバス停サインのリデザイン

 今宿姪浜線「なぎさ号」は、株式会社姪浜タクシーが運営する、姪浜〜今宿を走る乗合バスです。九州大学の学生を中心とした「今宿うみやまひと」プロジェクトのメンバーが、バス運営関係者らと共に、現状のバス停サインの課題に関するユーザーアンケートを実施。得られた調査を基に、高齢者や海外の観光客など様々な利用者にも見やすく、かつ分かりやすい情報を提供するバス停サインのリデザインを行いました。

リデザイン前のサイン

 令和2年度は、今宿駅バス停・叶嶽宮前バス停・今宿野外活動センターバス停の3箇所をリニューアル。新しいバス停サインは、バスの運行情報だけではなくバス停の周辺観光情報も併せて発信しています。 今後も末永く地域に愛される路線として「なぎさ号」が大勢の方々に積極的に利用されることを願っています。

リデザイン後のサイン

「今宿うみやまひと」サイト開設のお知らせ

今宿のウェブサイト「今宿うみやまひと」を開設しました!

 「今宿うみやまひと」は、「今宿プロジェクト」が開設したウェブサイトです。「今宿プロジェクト」は、九州大学の学生、西区役所の職員、今宿の住民や高校生などで構成されており、コミュニティバス「なぎさ号」の利用が年々減っているという課題に端を発して、今宿地域の活性化に取り組んでいます。

 今宿は、「海あり山あり人あり」といわれるように、自然豊かで、魅力的な人が集まる地域です。このことは、昨年初頭から地域の行事参加や今宿でのワークショップを重ねるなかで、見ず知らずの学生を歓迎してくださる地域の方々の姿を見て感じていました。

 「今宿プロジェクト」は、そのような今宿の自然や歴史、人について伝えるべく、昨年10月に、「今宿うみやまひと」というウェブサイトの制作を開始しました。コンセプトやコンテンツの構想段階から、掲載内容の取材、サイトの設計にいたるまで、学生メンバーにとっては始めての経験ばかりでしたが、試行錯誤を重ねながら、またプロジェクト内外の皆様のお力をいただきながら、サイトを開設いたしました。

 「今宿うみやまひと」開設にあたり、今宿プロジェクト内外の多くの方々にご協力いただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。

「今宿プロジェクト」の取り組みについてはこちら

「のどかな今宿に早く住みたい!」~上ノ原で温かい人々に出会った、ある九大生の感動~

「のどかな今宿に早く住みたい!」~上ノ原で温かい人々に出会った、ある九大生の感動~

文=服藤悠一郎
写真=末本圭子・横川千夏・朴相琥

「今宿ツアー」で松田さんのご自宅を訪問した際の写真(写真右:北垣玲音さん)

九州大学共創学部1年 北垣玲音(きたがきあかね)さん
北海道岩見沢市出身、中学ではバスケットボール、高校ではダンスに熱中。
大学進学を機に福岡に移る。

“面白い教授に出会って、九大に来ました”

「よくわからない学部」と言われる共創学部ですが、共創学部生にとってもよくわからないようですね。北垣さんも「よくわからない」というのですが、

高校生のときに鬼丸教授のお話を聞いて、共創学部なら『何かできそう』って感じました。

迷ったときに先生に紹介して頂いた本や外部のイベントから、興味が広がり、少しずつ自分のやりたいことが具体的に見えてくる、それが共創学部の魅力だと語ってくれました。

北垣さんの場合は、劇作家・平田オリザさんの著書を教授に紹介されて読み、楽しい瞬間をつなぐ表現教育の世界に出会いました。表現をより楽しくする方法を見つけることに興味を持ち、世界の孤児院やスラムの子供たちとミュージカルや映画を作るNPO団体「LES WORLD」で活動しています。今はコロナで十分に活動できていませんが、海外でのワークショップを体験して、作り上げることの楽しさをさらに実感したいと願っているそうです。

NPO団体「LES WORLD」 の集合写真(最右:北垣さん)

“大人も子供もふらっと立ち寄りたくなる、そんな駄菓子屋さんを作っています”

九大の地域活性化サークル「iTOP」の中に、西区桑原地域(九大付近)でCafé、Bar、野菜販売のお店を運営しているプロジェクト「ゼロから伊都」があります。北垣さんも筆者もそのメンバーなのですが、北垣さんは先輩と駄菓子屋さんを始めようと計画しています。

「ゼロから伊都」のメンバー

駄菓子屋さんって、子供だけでなく大人もふらっと立ち寄りたくなるんですよ。だから、ママさんたちにくつろいでもらえるような駄菓子屋さんを作りたいんです!

子供が少ない地域ながら、単価の小さい駄菓子に大人向けの付加価値を加えて、「やりたい」を実現するビジネスを模索しています。

九大生、今宿と出会う

今宿上ノ原の全景

雪深い北海道出身の北垣さん。オンラインで取材したこの日も、家の周りの雪かきから一日が始まったそうですが、九州今宿の田園風景に一目ぼれしたようです。

町並みがかわいいな、って感じました。

きっかけは、去る2020年12月26日に、今宿プロジェクトの末本さんと横川さんが、今宿に来たことがない九大生向けに企画して下さった「今宿ツアー」です。北垣さんも、このとき初めて今宿を訪れました。

それでは、このツアーの様子についてみていきましょう。

はじめに訪問したのは、薦田さんのれんこん畑です。薦田さんの畑では、朝収穫したれんこんをすぐそばで販売されているのですが、我々が着いた時にはすでに完売。「今宿の朝は早いよ」と笑顔の薦田さん。そのまま収穫体験をさせていただきました。

れんこんの収穫体験
れんこんの収穫体験(写真右奥:薦田さん)

ぬかるみだと思いきや意外に土が固く、薦田さんに教えて頂きながら、れんこんを傷つけないように、皆さん慎重に掘っていきます。

れんこんを収穫したときの様子

「れんこん、こんな風に生えてるんだ」と興味津々の北垣さん。ほかの大学生にも、それ以外の方々にも、ぜひ体験してほしいなと話してくれました。

次に末本さんに案内して頂いたのは、叶嶽神社です。

今宿の町が一望できる遙拝所は、紅葉の季節にまた来たくなる、景色のきれいな所でした。しゃもじの形をした絵馬には、どんな言われがあるのでしょうか。気になります。

叶嶽神社 遙拝所

その後、松田さんのご自宅にお邪魔しました。松田さんは、地元の素材を活かして様々な作品を作られている方で、住み心地と美しさを兼ね備えたご自宅は、松田さんこだわりの作品やコレクションが所狭しと並んでいました。玄関の置物をはじめ、障子の配色や甲冑など、ひとつひとつの要素についての理由や思い入れについて教えて頂きました。

自作の道具について説明する松田さん(写真左)

北垣さんは、壁一面に飾られた沢山の振り子時計が印象に残ったようです。ご自身の生活に対する松田さんの愛情が、強く感じられました。

振り子時計と北垣さん

最後に、吉積ぶどう園を訪問しました。このぶどう園では7月末から8月にかけてのシーズン中、とれたてのぶどうと、自家製のぶどうソフトクリームを、畑のそばのお店で販売されています(公式HPより)。作られている様々な品種のぶどうについて、ご主人が楽しそうに教えてくださいました。ぶどうのシーズンにまた寄せて頂きたいですね。

シーズンオフの間、お店では野菜を販売されています。この日は、今宿特産のカツオ菜を使ったお雑煮を、一足早く振舞って頂きました。カツオのような美味しい出汁がとれるカツオ菜ですが、筆者が「スーパーで見かけないですね」と尋ねたところ、今宿でしか流通していないと奥さんに教えて頂きました。

吉積ぶどう園でお雑煮をいただく学生

さて、今回のツアーに参加して今宿がすっかり大好きになった北垣さんですが、この春休み中に今宿に引っ越そうとしています。新たに、上ノ原に学生シェアハウスが誕生するのです。空室があればすぐにでも!ということですが、オープンを前にして既に満室のようです。今宿上ノ原地域に学生が集まりつつあります。

筆者自身もツアーを通じて、学生を歓迎して下さる温かい今宿の人々に感動しました。こうした交流の機会を通じて今宿に興味を持ち、町を訪れる学生が増えて欲しいと願っております。

3.11を機に、東京から福岡へ移住。今宿で目指すあたらしい”豊かさ”

3.11を機に、東京から福岡へ移住。今宿で目指すあたらしい”豊かさ”

写真・文=石田匠
写真提供=須賀大介さん、Smart Design Association

福岡移住計画代表 須賀大介さん

東京で起業した後、2011年に福岡に移住した須賀大介(すがだいすけ)さん。現在は株式会社スマートデザインアソシエーション代表取締役として、今宿の海沿いにあるシェアオフィスSALTなどを経営しています。

シェアオフィス SALT

“大震災をきっかけに、東京から福岡へ。”

須賀さんが生まれ育ったのは、茨城県水戸市。幼い頃は近所の人から食材をもらったり、地域行事に参加したりするのが当たり前の環境だったといいます。高校まで水戸市で育ちましたが、より洗練された環境を求めて大学から上京。

26歳のとき東京でIT企業を起業しました。景気の波に左右されながらも10年間かけて会社は少しずつ大きくなり、社員も40人まで増えたとき、東京での生活を一変させるできごとに襲われました。東日本大震災です。

インドでの会社の拠点づくり
東京時代のご家族

東京で追求していた豊かさとは、お金を稼ぐことでした。しかし震災でインフラが麻痺し、水も買えない状況に陥ったとき、お金があっても買えないものがたくさんあり、経済のもろさを実感しました。

大震災を契機に、それまでのお金に依存する生き方が本当に良いのだろうかと思うようになり、ずっと東京暮らしを続けていくことに疑問を抱きました。そんなとき、水戸で過ごした子ども時代のコミュニティの原体験の記憶を思い出して、「今後は地域に還元し、エネルギーをもらい、良い仕事をつくり上げていきたい」と感じるようになり、移住先を検討するなかで福岡を訪れたのが、今宿との最初の出会いでした。海の色と人のやさしさが、引っ越す決め手になったといいます。

キャンプをする須賀さん

“今宿から提案する、あたらしい生き方。”

福岡に移住してからは、遊びや趣味の時間を大事にするようになりました。お金を稼ぐために深夜までがむしゃらに働いていた東京時代とは大きな変化です。

最近は息子とキャンプをしたり、アウトドアを楽しんだりしています。高祖山に登って寝たり、渓流釣りや海釣りも楽しめたり。今宿は、足下の豊かさを感じられる地域です。

最近では、TOYOTA・近畿日本ツーリストと一緒にSALTでのワーケーションプログラムを作るなど、大企業との共創・共働も増えています。震災から10年。コロナ禍を経て、都心から地域に目を向ける流れが再び加速している今、自分の手で自然と向き合いながら働く豊かさを、改めて今宿から都市圏へ提案しています。

自然環境と寄り添いながら仕事をすると、売り上げのためではなく幸福のために働くようになり、長期的なビジョンが見えるようになりました。また、趣味や余暇を楽しむことで発想も豊かになります。この良さを、企業や移住したい人に発信していきたいです。

スマートデザインアソシエーションのWEBサイトはこちら
シェアオフィスSALTのWEBサイトはこちら