「ここ10年くらいの日本酒が一番おもしろい」柴田酒店・店主が語る日本酒の可能性とは

「ここ10年くらいの日本酒が一番おもしろい」柴田酒店・店主が語る日本酒の可能性とは

今宿駅から長垂海岸へ向かって歩くこと5分、唐津街道沿いに「柴田酒店」があります。三代目店主であり、「きき酒師」でもある柴田真人さんにお話を伺いました。

※「きき酒師」とは:日本酒提供・販売者資格。日本酒について、味わいや香りの特徴、料理との相性などについて豊富な知識をもつ。

もともとは、今トライアル(柴田酒店から徒歩10分)があるところに、酒蔵があったんです、そこで桶職人をやってたのが僕の祖父。その素材が木からホーローに変わるということで、先々のことを見越して、酒屋にしたのではないかと思います。

柴田さんが高校卒業後に店を手伝い始めた当時は、店で購入した酒を店内で立ちのみする「角打ち」で賑わっていました。しかし、格安のお酒の流通といった時代の変化もあり、徐々に、角打ちから小売での営業形態へと移行することにしました。

モットーは、「お酒を選ぶお手伝い」

現在のお店のモットーは「お酒を選ぶお手伝い」。「きき酒師」でもある柴田さんは、全国各地の酒蔵を回ったり、時には酒造りに入ったりしながら、そのための引き出しを増やしてきたといいます。

ネットで見るのとは全然違います。匂い、空気感、地域性。久留米の蔵には、3泊4日で酒造りに入って、そこで大体分かりますね。はてなと思ってたことがああーそうかとなる。そこは自分で現場に行かないと分からないですよ。

お酒選びでは、甘み辛みすっきりさといったお客さんの嗜好を、季節感や地方性といったお酒の特徴に照らし合わせて、提案を変えていくのだといいます。

料理でいう「本日のおすすめ」がお酒にもあります。

秋は新米ができて、搾りたてはフレッシュでインパクトがあるが、まろやかさがない。夏になると、お酒もまろやかになり、アルコール度数を下げた飲みやすいお酒が発売になります。

お酒には地方性もあって、地方の料理=しょうゆにあっています。東北に行くと、塩漬けの文化なので辛い酒をあわせる。淡麗辛口。西日本にくると、九州じょうゆのように甘い酒が受ける。瀬戸内海は優しい。日本海は荒い、味が濃いのがいい。地方を言われると、だいたい味の検討がつきますが、それは、そういう料理があるからなんです。

「ここ10年くらいの日本酒が一番おもしろい」

ここ10年くらいの日本酒が一番おもしろい。味が自由になってきたんです。日本酒といえば淡麗辛口で新潟のお酒が一番いいと考えられていましたが、酒蔵の後継者が大学を卒業して帰ってきて、僕らはそうじゃないという自己主張する。そして味が多様化しているんです。お米の作り方から酒を作る酵母・麹の開発、醸造の機械などの技術開発も進んでいます。

さらに、日本酒の多様化に伴って、日本酒を楽しむお客さんにも変化が生じてきているといいます。

日本酒とかワインは味わいを楽しむもの。ワイングラスでワインを飲んでいた人が日本酒を飲むようになっています。色々飲んでみたいという人が増えて、昔は一升瓶が多かったんですが、今は小さいサイズが多いです。

今や、日本酒は海外でも高い評価を受けています。柴田さんとお話するなかで、日本酒を日本の文化の一つとして伝え、盛り上げていこうという強い意志を感じました。

また、店を訪れたお客さん同士がつながったり、柴田さんが人を紹介したりすることもあるそうですが、今宿のハブとしての役割を果たせるのは、今宿をよく知る柴田さんだからこそだと思います。日本酒のことだけでなく、今宿のことについて知りたいという方は、柴田酒店を訪れてみてはいかがでしょうか。

柴田酒店のウェブサイトはこちら

「今宿秋のワークショップinむくの木」を開催しました

「今宿秋のワークショップinむくの木」を開催しました

文=横川千夏 写真=時川碧海・横川千夏

2021年10月20日、今宿上ノ原の喫茶むくの木にて、ワークショップを開催しました。今宿プロジェクトメンバーや地域住民、九大生が参加しました。

ワークショップでは、2つのグループに分かれて、”Give”(自分ができること、やってみたいこと)、”Want”(地域の実情、求めていること)について、意見交換。

地域住民からは、人と交流できる場所が欲しい、ジュースなどの加工品づくりができる、といった声が挙げられ、学生からは、地域住民がオンライン上でつながることについても提案がありました。一方で、のどかな今宿の良さを残しながらその良さがより多くの人に伝わればという声も聞かれました。

今回のワークショップで出されたアイデアをもとに、今後も今宿プロジェクトでは様々な試みに挑戦していきたいと思います。

「今宿プロジェクト」楽しく学べるワークショップ講座 その4「写真の撮り方」

「今宿プロジェクト」楽しく学べるワークショップ講座 その4「写真の撮り方」

講座その4は、記事に欠かせない「写真」

2021年9月6日、「今宿プロジェクト」楽しく学べるワークショップ講座の第4回を開催しました。第4回の講座内容は、写真の撮り方です。第1回は基調講演、第2回と第3回は記事に関する講座でしたので、今回は新たな分野になりますが、写真は、記事を投稿するのになくてはならない存在です。今回もオンラインでの実施ですが、参加者はパソコンの前に各自カメラやスマホを用意し、講座に臨みました。

今回の講師は、九州大学教育学部3年の時川碧海(ときかわたまみ)さん。大学での専攻は心理学ですが、写真館でもお手伝いをしているそうで、写真のセンスは今宿プロジェクトメンバーからも認められています。「今宿うみやまひと」のサイト内にも、時川さんが撮影した写真が多く掲載されており、「今宿プロジェクト」では、写真はもちろん、ライターとしても活躍しています。

写真の基本は姿勢から

講座では、写真を撮る基本姿勢から、構図の種類、光と影の調節方法などについてレクチャーがありました。水平線の補助線や明るさ調節機能のように、スマートフォンにも機能が搭載されている機能も多く、知っていれば今日から実践できるコツばかりです。参加者からは、「写真を撮るのってこんなに頭を使うのか」との声が上がっていました。質問タイムでは、講座の参加者から、逆光の対処法や、レクチャーで紹介された分割構図などについての質問が多く寄せられ、時川さんが丁寧に回答していきました。

写真を撮ってみよう!

いよいよ、実践です。参加者は、ぬいぐるみや果物など、身の回りにあるものを被写体に撮影した写真を共有します。レクチャーの内容を踏まえ、構図や光を意識した写真が多くみられましたが、講師の時川さんからは、もっと良い写真にするためのコメントが参加者に伝えられました。分割構図(写真を水平に2分割、または3分割にする構図)が活用されている写真でも、よくみるとテーブルの水平線がまっすぐになっていなかったり、被写体の一部分が切れてしまっていたりと、一見良い写真でも少し惜しい部分を指摘され、参加者は、自分の写真以外のコメントにも聞き入っていました。

「良い写真」とは?

最後に、時川さんが思う「良い写真」とは、「伝えたいものが伝わる写真」とのこと。今回の講座では、伝えたいものを伝えるために必要な基本的なノウハウをレクチャーしてくれました。構図を利用して視線を誘導したり、主題となるものが影にならないようにメリハリをつけたりと、時川さんが撮影する写真は様々なノウハウの活用とその組み合わせで作られていたことが分かります。一方で、写真を撮るのには、ノウハウだけでなく心構えも大切だといいます。それは、被写体への敬意を忘れないこと。今回の講座を通して学んだことを活かし、「今宿うみやまひと」の写真も少しずつアップグレードしていきますので、お楽しみに。

FM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」 に出演しました!

FM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」 に出演しました!

文=横川千夏 写真=服藤悠一郎

こんにちは、横川です。
連日危険な暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


2021年8月4日、今宿プロジェクトの末本・横川がFM FUKUOKA「DIG!!!!!!!! FUKUOKA (ディグ・フクオカ) 」に出演しました。出演コーナーは、「福岡シティエクスプレスVIVOTが行く」というコーナー。毎日、ラジオカーで福岡県内各地から中継が行われています。中継場所として、先月、本サイトでもご紹介した「吉積ぶどう園」さんにお世話になりました。「吉積ぶどう園」さん、偶然にも当日は休業日だったため、普段は作業や販売をされている直売所にお邪魔しました。

13:30、ディレクターの松浦さん、リポーターの木原さんとの打ち合わせ兼練習がスタート。練習では、初ラジオへの緊張と、3分半というタイム・リミットを意識しすぎるあまり、どうしても急ぎすぎてしまいますが、松浦さんに「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声をかけていただきひと安心。練習中につまづいた、言いづらいフレーズを見逃さず修正していただき、細かい調整をしていきました。

3~4回練習を重ねると、14:19の本番の時間が近づいてきました。しーんと静まり返り、あっという間に本番は終了。

放送後は、吉積さんが松浦さん、木原さんを案内され、お二人とも宝石のようなぶどうに大興奮されていました。

私にとっては初めてのラジオ出演でしたが、とっても不思議な感覚でした。目の前にお客さんがいるわけではないので、自分の声が福岡中の電波を通っているのか、あまり実感が湧きませんでしたが、普段お世話になっているアルバイト先の皆さんが聞いてくださっていたようで、今宿のことが福岡に伝わったのかとやっと実感したところでした。

事前の打ち合わせから当日の練習まで、丁寧に対応してくださったFM Fukuokaの皆さんには大変感謝しています。また、今回の出演のご縁を下さった姪浜タクシーの岩本社長にも心から感謝申し上げます。

新型コロナウイルスが状況が落ち着いたら、ぜひ今宿に遊びにいらしてくださいね。それまでの間、今宿の情報をお届けしていきたいと思いますので、ウェブサイトも楽しんでいただければ嬉しいです。

ぶどう作りは試行錯誤の連続。「吉積ぶどう園」次期後継者の挑戦とは

ぶどう作りは試行錯誤の連続。「吉積ぶどう園」次期後継者の挑戦とは

写真=横川千夏・末本圭子・服藤悠一郎 文=横川千夏

今宿駅から南側へ向かい、202号線バイパスを越えると、今宿上ノ原地区に「吉積ぶどう園」があります。「吉積ぶどう園」では、10種類以上のぶどうを栽培し、毎年7月下旬から8月にかけて直売所で販売しています。

収穫・販売を間近に控えた7月初旬、次期後継者となる吉積文城(よしづみふみき)さんにお話を伺いました。おじいさまの代からぶどう園を営まれていたこともあり、小学生の頃からぶどう農家になることは考えていたそう。高校卒業後、農業大学校へと進学。岡山で半年ほどの修行を経て実家である吉積ぶどう園で、ぶどう農家としての生活を始めました。

ぶどう作りは試行錯誤の連続

上ノ原地区には、かつて40軒ほどのぶどう園がありましたが、今は3軒にまで減ってしまいました。ぶどうを市場に出すと価格が安定せず、後継者不足も起こってしまっているためです。そこで、吉積ぶどう園では、直売方式を導入し、6年ほど前から直売所を建てて販売しています。

ぶどう農家となり20年ほどになる吉積さんですが、ぶどう作りは毎年、試行錯誤の連続だといいます。たとえば、「皮の薄いぶどうが割れてしまうのはなぜなのか」という問題に対して、風を当てるのがいいのか、水をあげすぎないようにするのがいいのか、実験を繰り返していくといいます。

それでも、ぶどう作りを探求し続ける原動力となっているのは、お客さんの存在。「毎年来てくれるお客さんのために、1年間頑張っている」といいます。

ぶどうにかける思いと挑戦

そんな吉積さんには、ある目標があります。一つは、上ノ原地区にある耕作放棄地をワイン専用品種のぶどうを栽培する、ということです。今宿の田んぼの7割が飼料米用となっており、後継者不足もあり耕作放棄地も増えているといいます。地域のマイナス面を逆手に取り、ワイン作りという新たな挑戦を試みています。もう一つは、会社をつくり、人を育てるということ。そのために、JAの青年部や消防団とのかかわりなど、外との交流を大切にしているといいます。

今年の直売所での販売は、7月22日から開始予定(7月22~25日は先行発送受付期間。通常販売は7月29日~)。晴れの日が続き、ぶどうの糖度も上がっているそうです。この夏、今宿のぶどうを味わってみてはいかがでしょうか。

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「今宿うみやまひと」サイト開設のお知らせ

今宿のウェブサイト「今宿うみやまひと」を開設しました!

 「今宿うみやまひと」は、「今宿プロジェクト」が開設したウェブサイトです。「今宿プロジェクト」は、九州大学の学生、西区役所の職員、今宿の住民や高校生などで構成されており、コミュニティバス「なぎさ号」の利用が年々減っているという課題に端を発して、今宿地域の活性化に取り組んでいます。

 今宿は、「海あり山あり人あり」といわれるように、自然豊かで、魅力的な人が集まる地域です。このことは、昨年初頭から地域の行事参加や今宿でのワークショップを重ねるなかで、見ず知らずの学生を歓迎してくださる地域の方々の姿を見て感じていました。

 「今宿プロジェクト」は、そのような今宿の自然や歴史、人について伝えるべく、昨年10月に、「今宿うみやまひと」というウェブサイトの制作を開始しました。コンセプトやコンテンツの構想段階から、掲載内容の取材、サイトの設計にいたるまで、学生メンバーにとっては始めての経験ばかりでしたが、試行錯誤を重ねながら、またプロジェクト内外の皆様のお力をいただきながら、サイトを開設いたしました。

 「今宿うみやまひと」開設にあたり、今宿プロジェクト内外の多くの方々にご協力いただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。

「今宿プロジェクト」の取り組みについてはこちら

願いが叶う「叶嶽神社」。守り続ける住民の思いとは

願いが叶う「叶嶽神社」。守り続ける住民の思いとは

文=横川千夏 写真=横川千夏・時川碧海

叶嶽神社 遙拝所への道

叶嶽神社(かのうだけじんじゃ)の遥拝所は、叶嶽登山口から10分ほど登ったところにあります。さらに1時間ほど登ると、叶嶽山頂(341m)。長垂海岸を一望することができます。

※遥拝所:遠く離れた場所から神仏を拝むための場所
※叶嶽登山口は、バス停「叶嶽宮前」から徒歩1分

コミュニティバス「なぎさ号」のバス停「叶嶽宮前」
(左から) 堤志津男さん、吉積博幸さん、木藤和夫さん

叶嶽神社は、神社でありながら、明治時代の神仏習合によりご神体を「勝軍地蔵」とする地蔵堂でもあります。願いが「叶う」という意味で、「叶嶽神社」と名付けられたという説があります。

今回お話を伺ったのは、叶嶽神社元総代の木藤和夫(きふじかずお)さん、叶嶽神社現総代 吉積博幸(よしづみひろゆき)さん、上ノ原(かみのはる)町内会長の堤志津男(つつみしづお)さん。

叶嶽神社は、吉住(吉積)家によって先祖代々守られてきましたが、最近からは上ノ原地区の町内会で整備などを担っています。

山道の整備

叶嶽山頂までの山道は、定期的に間伐などの整備をしなければなりません。上ノ原地区には、林業や造園業に携わる人が多く、住民で構成される山林組合もあります。しかし、普段中心となっているメンバーのほとんどは60代を超えており、高齢化により担い手が減少していることは深刻な課題となっていました。

QRコードを神社に掲示して、山道の整備のボランティアを募集してみたんですよ。すると、「いつもお世話になっているから」といって、25人の方が集まりました。20代から30代の若い世代が多く、未経験者がほとんどでしたが、熱心に取り組んでくれました。ベトナム人などの外国人の方もおられました。

吉積博幸さん

ボランティアを募集しての山道整備は、毎年11月に実施されています。

健康道場

叶嶽神社には、地元の方々だけでなく、遠方からの参拝者も多く訪れます。「健康道場」といわれるだけあって、高齢者の方が健康づくりのために山登りをする姿がよく見受けられました。そんななか、コロナ禍において「密」が避けられるなか、叶嶽神社には若い世代の登山者も増えるようになったと喜んでいるそうです。

叶嶽 登山口

若い世代の人との交流もつくっていきたいですね。年に4回ある大祭のときに露店を出してもらったり、建物のデザインを考えてもらったりして、上ノ原全体を盛り上げていきたいです。

吉積博幸さん

叶嶽神社のWebサイトはこちら

本場ドイツの味を、今宿で。焼きたてパンの美味しさを伝え「ゾンネン・ブルーメでのパンづくり。

本場ドイツの味を、今宿で。焼きたてパンの美味しさを伝える「ゾンネン・ブルーメ」でのパンづくり。

写真・文=横川千夏

ゾンネンブルーメ チーフ 江頭正樹さん

今宿駅前、長垂海岸からの潮風漂う住宅街に、焼きたてパン工房「DIE SONNEN BLUME(ゾンネン・ブルーメ) 」があります。ドイツ語で、「ひまわり」

ゾンネンブルーメ 店の外観
ライ麦パン「ゾンネンブルーメ」

チーフを務めるのは、江頭正樹(えがしらまさき)さん。

父であるErwin Betzさんが、1972年にパンの技術顧問としてドイツから来日。日本で生まれ育った正樹さんは、20歳でヨーロッパに留学。ドイツで5年、スイスで3年半、パンやお菓子作りについて学び、修行を積みました。2006年に、今津(福岡市西区)で製粉会社の事業の一環としてゾンネン・ブルーメを開業。2017年からは店舗を今宿に移し、営業しています。

食事としてパンを楽しんでほしい

日本では、パンの人気が高まりつつあるものの、食パンや菓子パンを食べることが多い状態。正樹さんは、より多くの人に食事としてのパンを楽しんでほしいといいます。

店内のパン

正樹さんがこだわるライ麦パンには、食事としてパンを食べてほしいという思いが込められています。通常の小麦パンよりも、ミネラル・食物繊維・タンパク質・ビタミン・カルシウム・鉄分などの栄養素が多く詰まっており、現代人の食生活で不足しがちな栄養素を、毎日の食事の中で美味しく摂ることができるのです。

また、食事としてパンを食べるのに欠かせないのは、「焼きたて」であること。

焼きたてのパンって、炊きたてのご飯みたいに美味しいんです。パンは、窯から出て2時間経ったものがいちばん美味しい。焼きたてを目当てに来店される方もいらっしゃいますが、その感覚をもっと多くの人に伝えたいです。

そんな正樹さんが、パンを食事として楽しんでほしいという思いがあるからこそ、パンを売るうえで大切にしていることは3つ。1つ目は、添加物や防腐剤を使わないこと。2つ目は、過剰広告をしないこと。最後は、適正価格で販売すること。一見当たり前のことのようですが、商売をするうえではどれも難しいこと。

うちはおにぎり屋さんなんですよ。おにぎりに、高いお金を出すのはおかしいでしょう。だから、クリスマスのシュトレンでも、適正価格で売るようにしてるんです。

好きなパンを選べるように

お客さんには、今宿地域の方だけでなく、佐賀や久留米、北九州など遠方からの方も多いそう。そんななか、今宿周辺や糸島市内に在住する海外の方も増えているいて、特に九州大学が伊都キャンパスに移転してきてから、イスラム系のお客さんが増えています。

店内のサンドイッチ

好きなものを食べればいいじゃん、と思うんです。

ラード不使用のパンをひとつだけ置いても、その人はいつもそのパンしか選べません。そうじゃなくて、そのときに食べたいものを選べるように、サンドイッチでも、1種類ではなく、数種類置くようにしているんです。

ラードは、パン作りに使われる油脂の一種ですが、豚の脂肪から作られているため、イスラム教徒の方は食べることができません。ヨーロッパでの修行を通して、日本では馴染みの薄い文化や宗教の多様性に触れたことが、『好きなものを食べてほしい』という思いにつながっています。

ゾンネン・ブルーメのWebサイトはこちら