福津研修#2~クロスロードゲームで学ぶ多様性~

福津研修#2~クロスロードゲームで学ぶ多様性~

文=服藤悠一郎 写真=末本圭子

7月7日、今宿校区の研修旅行で福津市にお邪魔しました。そこで、福津市男女共同参画室の皆さんと体験したのが、クロスロードゲームです。クロスロードゲームとは、カードを使った防災ゲームです。災害時に選択を迫られる状況を想定して、様々な当事者の立場で自分自身の判断を下し、互いの判断と理由を他の参加者に共有します。

なぜ男女共でクロスロードゲームなのか。それは、災害時の判断に正解がないからです。正解のない問を通じて、自分自身や他者の思考のクセを認識し、多様な立場に配慮した行動を学ぶことができます。

第1問はこちらでした。

「一人暮らしの高齢者の立場で、災害時に、行政からの避難指示と、家族からの外出自粛要請のどちらを優先するか」

避難指示が出る状況というのは、感染して死亡する可能性よりも災害で死亡する可能性の方が高い状況であると考え、私は避難指示を優先して避難すべきと判断しました。

この問題についてグループの皆さんと意見を出し合うと、両方の結論が挙がり、さらにその理由も様々でした。皆さんの意見を伺う中で、問題中の立場や状況に関連する経験がある人生の先輩方ほど、配慮すべきと考える項目が多く、我が事として悩まれているように感じました。また私の意見についても、生命は何より大切であり、特にたとえケガをしても病気になってでも生き延びることを優先すべきである、という価値観が、思考の前提にあったことに気が付きました。

どんなに合理的な思考も、一人一人の価値観を実現する手段であり、その価値観の存在に自分では中々気付かないもののようです。日常生活はもちろん、困った時ほど協力が必要な社会だからこそ、お互いの立場と価値観を意識し配慮する努力が大切だと感じました。

今宿の欠かせない生活の足、「なぎさ号」 その現状と、守り続ける努力について

今宿の欠かせない生活の足、「なぎさ号」

その現状と、守り続ける努力について

写真=岩本社長・横川千夏・時川碧海・服藤悠一郎 文=服藤悠一郎

姪浜タクシーは、福岡市西区を中心に、タクシー・貸切バス・路線バスを運行する会社です。特に路線バスの「なぎさ号」は、今宿に住む人々の生活の足として、重要な役割を担っています。そんな姪浜タクシーの実情と取り組みについて、岩本社長にお話を伺いました。

岩本社長

「なぎさ号」とは

ナンバープレートをよく見ると「・793」…そう、「なぎさ」なのです!

「今宿姪浜線」とは、姪浜駅北口~今宿駅前~今宿野外活動センターを結ぶバス路線です。姪浜駅北口~今宿野外活動センターが、平日9往復・土日祝日8往復、今宿駅前~今宿野外活動センターが平日1往復設定されており、乗車定員32人(座席定員18人・立席14人)の小型バス「なぎさ号」で運行されています。

主な利用者は、買い物や通院をされる地元の方々です。筆者が乗車した時も、マルキョウがある青木入口と、住宅地に近い上青木の停留所で、乗り降りが多かったように思います。また、利用者の多くが回数券を利用されていました。車内でお話を伺うと、自分では運転されない高齢の方が、頻繁に利用していると答えて下さいました。今宿に住む人々の多くが車で移動する中で、バスを必要としている人が、数は少なくとも確かにいらっしゃいます。

元々この区間は、昭和バスの路線でした。しかし、青木・上ノ原は今宿でも特に人口減少率・高齢化率が高い地域であり、収支の悪化から昭和バスが平成17年に路線廃止を申し出ます。そこで、平成18年に地域住民・姪浜タクシー・福岡市による連絡協議会が発足し、姪浜タクシーが運行を担い、福岡市が経費を補助して路線を維持する、現在の体制に移行しました。

路線存続の在り方について検討するため、同年に9人乗りのハイエースを使用した実証実験が行われました。その中で、1便に15人ほどの需要があることが分かり、小型バスでの運行が始まりました。しかし、その後も沿線人口の減少が進行し、運営は厳しい状況にあります。

フリーパス「通行手形」

デザインが新しくなった「通行手形」。叶嶽神社の神紋が入りました。「なぎさ号」の名前は、利用者の公募で選ばれたもので、他には「かのう号」という案もあったそうです。

定期的な利用者の減少が今後も見込まれる中、沿線内外の人々に観光利用してもらおうと、姪浜タクシーでは日曜・祝日限定のフリーパス「通行手形」を発行しています。「なぎさ号」の沿線には、生の松原にある防塁や叶嶽神社などの見どころや、今宿野外活動センターという体験施設があり、これらを訪れる際になぎさ号を利用してもらうことが目的です。この「通行手形」には特典がついており、沿線の飲食店で提示するとサービスを受けられる企画「麵街道の旅」を行っています。また、この「通行手形」を野外活動センターで提示すると、スポーツ用具の貸し出し、または利用料金の割引を受けられます。

コロナ禍での取り組み

海とヨットをイメージした車体側面のロゴは、社長がデザインされたそうです。ベースの白は、ただの白ではなく「純白」という特別な塗装だとか。取材の中で、姪浜タクシーが保有されている様々なバスについて紹介して頂きました。写真の3台は、約35人乗りの中型デラックス車。

新型コロナウイルスの影響を受けて、「なぎさ号」の利用者数が、令和2年度は前年度に比べて3割以上落ち込み、特に土曜日・日祝日の利用者数は5割近く減少する、深刻な状況となりました。また「なぎさ号」に限らず、貸切バスの需要が減少し、整備費用が会社の経営を圧迫しています。

そこで姪浜タクシーでは、人々が外出を控える中でも、野外活動センターの駐車場が土日ごとに満車になることに注目しています。なぜなら同センターでは、主に家族連れを対象とした様々なイベントを開催しており、また同センターはハイキングコースのスタート地点として知られているため、多くの人々が訪れるからです。実際、コロナ禍に入ってから利用者が増えたそうです。密回避が叫ばれる中、アウトドア体験に対する関心の高まりに驚いたと、社長はおっしゃいます。令和3年度は、自家用車で同センターを訪れる利用者になぎさ号を使ってもらおうと、ハイキングと食事を組み合わせたツアーを企画しています。

今後は、沿線の魅力を大学生にも知ってもらい、貸切バスの利用につなげたいと意気込んでいらっしゃいました。今宿にお住まいの方もそうでない方も、バスを利用して、「密」にならない余暇を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

野外活動センターから眺める今宿の景色。

姪浜タクシーからのお知らせ

姪浜タクシーでは、スマホ向け無料配車アプリ「西タクInfo」を公開しております。お名前とお電話番号を登録して頂くと、通話もしくは画面の操作でタクシーを依頼することができます。「なぎさ号」の時刻や沿線のイベントについても、アプリからご確認ください。

ダウンロードは、こちらのQRコードから。ぜひご利用ください。

https://smappon.jp/bv04iw03

リンク

・姪浜タクシー:http://www.meinohama.co.jp/ 

※「なぎさ号」については、「路線バス事業」からご確認ください。

・今宿野外活動センター:http://imajuku-yagai.jp/

※新型コロナウイルスの流行を受けた施設の利用状況につきましては、最新の情報をご確認ください。

RKBラジオ「笑売繁盛!ウメ子食堂」に出演しました!

RKBラジオ「笑売繁盛!ウメ子食堂」に出演しました!

文=服藤悠一郎、写真=西尾幸真

こんにちは、服藤です。

2021年8月19日に、RKBラジオの「笑売繁盛!ウメ子食堂」で、私たち今宿プロジェクトが紹介されました。中継場所は今宿野外活動センターです。今回は、本ウェブサイトでライターをしている末本、横川、服藤が出演し、叶嶽神社など今宿の魅力、路線バス「なぎさ号」、そしてこのウェブサイト「今宿うみやまひと」について、お話させていただきました。

まずは、打ち合わせです。頂いた放送時間は約3分。たくさんお伝えしたいことがありましたが、リポーターの井上 瑠香(いのうえ るか)さんに一つ一つ確認して頂きながら、言葉を選びます。「なぎさ号」については、姪浜タクシーの岩本社長に確認していただきました。項目のつながりを整理して、台本が完成です。

数回練習してから、いよいよです。皆さんが終始落ち着いていらっしゃる中、初出演の私だけは声が上がってしまいながらも、あっという間に無事放送が終了しました。

緊急事態宣言が延長され、いますぐ今宿に遊びに来てください、と呼びかけられないもどかしさがありますが、当ウェブサイトは今宿の魅力を発信し続けますので、ご覧いただければと思います。

最後に中継車「スナッピー」の前で記念撮影

最後になりましたが、打ち合わせから練習まで丁寧に対応して下さった、井上さんをはじめRKBの皆さん、RKBとのご縁を下さった岩本社長、吉村自治協議会会長をはじめ、ご臨席頂いた皆さんのご協力に感謝申し上げます。

笑売繁盛!ウメ子食堂 | RKBラジオ

番組HPはこちら

「のどかな今宿に早く住みたい!」~上ノ原で温かい人々に出会った、ある九大生の感動~

「のどかな今宿に早く住みたい!」~上ノ原で温かい人々に出会った、ある九大生の感動~

文=服藤悠一郎
写真=末本圭子・横川千夏・朴相琥

「今宿ツアー」で松田さんのご自宅を訪問した際の写真(写真右:北垣玲音さん)

九州大学共創学部1年 北垣玲音(きたがきあかね)さん
北海道岩見沢市出身、中学ではバスケットボール、高校ではダンスに熱中。
大学進学を機に福岡に移る。

“面白い教授に出会って、九大に来ました”

「よくわからない学部」と言われる共創学部ですが、共創学部生にとってもよくわからないようですね。北垣さんも「よくわからない」というのですが、

高校生のときに鬼丸教授のお話を聞いて、共創学部なら『何かできそう』って感じました。

迷ったときに先生に紹介して頂いた本や外部のイベントから、興味が広がり、少しずつ自分のやりたいことが具体的に見えてくる、それが共創学部の魅力だと語ってくれました。

北垣さんの場合は、劇作家・平田オリザさんの著書を教授に紹介されて読み、楽しい瞬間をつなぐ表現教育の世界に出会いました。表現をより楽しくする方法を見つけることに興味を持ち、世界の孤児院やスラムの子供たちとミュージカルや映画を作るNPO団体「LES WORLD」で活動しています。今はコロナで十分に活動できていませんが、海外でのワークショップを体験して、作り上げることの楽しさをさらに実感したいと願っているそうです。

NPO団体「LES WORLD」 の集合写真(最右:北垣さん)

“大人も子供もふらっと立ち寄りたくなる、そんな駄菓子屋さんを作っています”

九大の地域活性化サークル「iTOP」の中に、西区桑原地域(九大付近)でCafé、Bar、野菜販売のお店を運営しているプロジェクト「ゼロから伊都」があります。北垣さんも筆者もそのメンバーなのですが、北垣さんは先輩と駄菓子屋さんを始めようと計画しています。

「ゼロから伊都」のメンバー

駄菓子屋さんって、子供だけでなく大人もふらっと立ち寄りたくなるんですよ。だから、ママさんたちにくつろいでもらえるような駄菓子屋さんを作りたいんです!

子供が少ない地域ながら、単価の小さい駄菓子に大人向けの付加価値を加えて、「やりたい」を実現するビジネスを模索しています。

九大生、今宿と出会う

今宿上ノ原の全景

雪深い北海道出身の北垣さん。オンラインで取材したこの日も、家の周りの雪かきから一日が始まったそうですが、九州今宿の田園風景に一目ぼれしたようです。

町並みがかわいいな、って感じました。

きっかけは、去る2020年12月26日に、今宿プロジェクトの末本さんと横川さんが、今宿に来たことがない九大生向けに企画して下さった「今宿ツアー」です。北垣さんも、このとき初めて今宿を訪れました。

それでは、このツアーの様子についてみていきましょう。

はじめに訪問したのは、薦田さんのれんこん畑です。薦田さんの畑では、朝収穫したれんこんをすぐそばで販売されているのですが、我々が着いた時にはすでに完売。「今宿の朝は早いよ」と笑顔の薦田さん。そのまま収穫体験をさせていただきました。

れんこんの収穫体験
れんこんの収穫体験(写真右奥:薦田さん)

ぬかるみだと思いきや意外に土が固く、薦田さんに教えて頂きながら、れんこんを傷つけないように、皆さん慎重に掘っていきます。

れんこんを収穫したときの様子

「れんこん、こんな風に生えてるんだ」と興味津々の北垣さん。ほかの大学生にも、それ以外の方々にも、ぜひ体験してほしいなと話してくれました。

次に末本さんに案内して頂いたのは、叶嶽神社です。

今宿の町が一望できる遙拝所は、紅葉の季節にまた来たくなる、景色のきれいな所でした。しゃもじの形をした絵馬には、どんな言われがあるのでしょうか。気になります。

叶嶽神社 遙拝所

その後、松田さんのご自宅にお邪魔しました。松田さんは、地元の素材を活かして様々な作品を作られている方で、住み心地と美しさを兼ね備えたご自宅は、松田さんこだわりの作品やコレクションが所狭しと並んでいました。玄関の置物をはじめ、障子の配色や甲冑など、ひとつひとつの要素についての理由や思い入れについて教えて頂きました。

自作の道具について説明する松田さん(写真左)

北垣さんは、壁一面に飾られた沢山の振り子時計が印象に残ったようです。ご自身の生活に対する松田さんの愛情が、強く感じられました。

振り子時計と北垣さん

最後に、吉積ぶどう園を訪問しました。このぶどう園では7月末から8月にかけてのシーズン中、とれたてのぶどうと、自家製のぶどうソフトクリームを、畑のそばのお店で販売されています(公式HPより)。作られている様々な品種のぶどうについて、ご主人が楽しそうに教えてくださいました。ぶどうのシーズンにまた寄せて頂きたいですね。

シーズンオフの間、お店では野菜を販売されています。この日は、今宿特産のカツオ菜を使ったお雑煮を、一足早く振舞って頂きました。カツオのような美味しい出汁がとれるカツオ菜ですが、筆者が「スーパーで見かけないですね」と尋ねたところ、今宿でしか流通していないと奥さんに教えて頂きました。

吉積ぶどう園でお雑煮をいただく学生

さて、今回のツアーに参加して今宿がすっかり大好きになった北垣さんですが、この春休み中に今宿に引っ越そうとしています。新たに、上ノ原に学生シェアハウスが誕生するのです。空室があればすぐにでも!ということですが、オープンを前にして既に満室のようです。今宿上ノ原地域に学生が集まりつつあります。

筆者自身もツアーを通じて、学生を歓迎して下さる温かい今宿の人々に感動しました。こうした交流の機会を通じて今宿に興味を持ち、町を訪れる学生が増えて欲しいと願っております。