今宿かるたに受け継がれた地域の想い

今宿かるたに受け継がれた地域の想い

写真・文 末本圭子

今宿かるた
今宿かるた 読み札
今宿かるた 読み札

 今宿を歩くと、どこかで「今宿かるた」に出会っているかもしれません。かるたの題材になった場所に、「今宿かるた」の読み札が建てられているからです。いろは47文字で作られた読み札は、51札あり、今も史跡のかたわらに寄り添っています。かるたはこれまで20年、公民館や学校の郷土学習で使われ、地域の宝になっています。

 「今宿かるた」はどのように地域で受け継がれてきたのでしょうか。


高齢者からのバトン

高令者教室の記録表紙

 昭和56年(1981年)に今宿公民館で作成された「今宿高令者教室の記録」には、「今宿のむかしむかし」という歴史地図が掲載されています。123カ所の地点をチームで分担して調査し、作成したものです。
「学識者や街の古老からの応援を得て、写真を撮り資料を追って調査した」
「この事業は、校区の子々孫々に伝える何よりもよいプレゼントになる」
など、参加者の感想からは意欲と使命感がにじみます。
 当時の受講生は60歳以上の方だから、現在100歳以上の方が、次世代のために伝えてくれたことになります。この歴史地図が、次の展開に繋がりました。


バトンを受け取った母子たち

 平成10年(1998年)玄洋公民館の「地域づくり講座」に参加した4人の女性が編集者となり、「みんなで遊ぼう 今津・玄洋・今宿 探検ガイド」を制作しました。これは、子どもたちと歩き聞き、写真を撮った記録で、当時は写真やイラストを切り貼りして原稿を作る作業だったようです。

探検ガイド 作成メンバー

 歴史地図が次世代の手によって、校区の歴史・伝統・自然のガイドブックになりました。

探検ガイド
探検ガイド
探検ガイド


手づくりかるたから、印刷版「筑前今宿歴史かるた」へ

 平成12年(2000年)、遊びを通して今宿の良さを次世代の人たちとも分かち合いたいと、かるた制作が高齢者教室のテーマに盛り込まれました。そこで参考にされたのが、今宿歴史地図でした。
 手づくりかるたは、今宿小学校1年生との世代間交流の中で初披露され、その後郷土史家の大内士郎氏により「今宿いろはカルタ」として地域情報誌「今宿タイムズ」に連載されました。
 こうして、平成13年(2001年)大内氏の監修による解説書とともに、印刷版「筑前今宿歴史かるた」が完成しました。

今宿かるたと解説書

 それから約20年、郷土を楽しく学ぶツールとして活躍してきました。
 令和2年(2020年)今宿商工業協同組合創立60周年記念誌に、新たに編集された「筑前今宿歴史かるた~今宿の歴史を学ぶ~」が掲載されています。(著者 田中佳子氏)

記念誌表紙

 今宿タイムズに20年関わり(そのうち10年は編集長)、探検ガイドが作成された時に講師を務めた大内士郎氏(当時は玄洋公民館主事)に話を聞きました。


今宿のことを何らかの形で伝えていこうと思う人たちがいたから続いてきた活動。歴史の一端を知ることはすばらしいこと。西都小、玄洋小、今宿小の子どもたちに毎年今宿の歴史や文化を話したり、現地を案内したりしているが、子どもたちから「歴史っておもしろいな」という感想をもらう。このような気持ちが途切れなければいいなと思う。

郷土史家・大内士郎氏からのメッセージ
(左)郷土史家・大内士郎氏


取材を終えて

 「あの時、あの人にあの話をもっと訊いておけばよかった、と思うことがある」と大内さんが言われたのが印象的です。今でも昔を知る人に直接話を聴くことを大切にされています。
 唐津街道沿いの文化財資料室で話を聞いていると、地元の方が大内さんを訪ねて来られました。今宿についての童話を書くための聞き取りでした。このように、いろいろなやり方で、郷土の歴史が受け継がれていくのだと感じました。

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